君と描く花言葉。
「……誰アンタ」
トゲトゲしい口調が私を貫く。
「えと……私は……その」
見た目の印象からは想像もしていなかったキツめの口調につい狼狽えてしまい、目が泳ぐ。
私は……えっと、何なんだろう……?
友達……?でいいのかな。
それとも共同制作者?絵の協力者?
咄嗟に上手い語句が見つからず、口ごもる。
すると彼女はそんな私に不信感を抱いたのか、ますますその顔は険しくなっていった。
「え何?泥棒?」
「えっ!?」
「てかそのコップあたしのなんだけど。
勝手に使わないでくんない?」
「あ、えっと、あの……」
次々と強めの口調で言葉を投げかけられ、何も言えなくなってしまう。
さっきまでの可憐な雰囲気はどこへやら、その子のまとう空気は紛うことなき“強い女”だった。
普段関わることのないタイプの子の登場に、完全に萎縮してしまう。
ど、どうしよう。
なんて説明すればいい……?
なおも私を睨んでいる女の子と目を合わせることができなくて、下を向く。
何も言わないと不審がられたままだし、何か言わなくちゃいけないと思うのに、ぐるぐると混乱した頭からは何も言葉が出てこなかった。