君と描く花言葉。





……私には、人並みに友達がいる。


無視されるわけでもなければ、いじめがあるわけでもない。


もちろん家族もいて、一人なんかじゃなくて。



……それなのに。私は一人だ。


ふと、そう思う時がある。



友達って、なんだろう?


同じクラスになったら、もう友達?


話したことがあったら友達?


お互いに名前を知っていたら友達?



それなら、なんて……なんて軽いものなんだろう。



友達の定義なんて、いつでも曖昧なものだった。





恋人だってそうだ。



「付き合おう」「いいよ」たった二言で成立するもの。


「別れよう」たった一言で終わるもの。



それって、本当に友達よりも深い関係なの?



私には、わからなくて。



私の考えが変なんだってことはわかってるよ。


だから……きっと、私は誰にも理解されない。


どこか、そんな気持ちに支配されていて。



……私を本当に理解してくれる人に側にいて欲しい。


誰か……私を認めて。


このつまらない日常から、白馬の王子様よろしく私を救い出してよ!



たまに、そんな渇望に飲み込まれる。






本当に人を信じていないのは。


本当に人を信じられないのは。



……私なのに。




人に合わせていないと嫌われるんじゃないか。


ちょっと変なことをすると、すぐにハブられるんじゃないか。


実は、既に裏では悪口を言われているんじゃないか。



人を信じられない私は、ずっとそんな不安に苛まれている。



そして、いつしか1つの結論に辿り着く。



『そんなにすぐに壊れるようなものを、友情と呼んでいいものか?』



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