君と描く花言葉。
「わぁ……!」
そこには、空から日の光が降り注ぐ空間が広がっていて。
真ん中に立っている真っ白なキャンバスが、日の光を受けて輝いている。
たくさんの植物に囲まれた、自然たっぷりでキラキラした空間。
室内だから動物はいないだろうけど、綺麗な鳥や、小さくて可愛いリスなんかがちょこちょこと遊びまわっていてもおかしくないような気がする。
何かの映画の舞台かと思うくらい現実離れしたそこに、陽の光に照らされた成宮くんとアマリリスが加わる。
成宮くんが一直線に歩いて向かう先にあるキャンバスのそばには、黒い骨組みにガラス張りで出来た、温室にぴったりの四角いおしゃれな机が置いてあって。
その上にはたくさんの絵の具や筆やパレットなんかが揃えられていて、さっきまで成宮くんが手にしていたコップや、腕に下げていたコンビニの袋もちょこんと鎮座していた。
私はなんだかその空間に入ることができなくて、その場に立ち尽くす。
なんだろう……これ。
なんだか、現実じゃないみたい。
目の前の光景が、あまりにも綺麗すぎて。
こんな空間、見たことないよ。
まるで絵に描いたようなその光景に、吸い込まれそうになる。