君と描く花言葉。




「はいっ!これで大丈夫……!?」


「……ん。ありがと……」



力なく袋を受け取り、身体を起こそうとする成宮くんに肩を貸す。



もしかして、病気か何かなの……?


だからあんまり日に当たらないようにしてるとか……!?


薬を買ってきて飲み忘れたのかな……。



ぐるぐると私の頭が変な方向に回転していく中、成宮くんはコンビニの袋から三角形の物体を取り出した。


どこか……いや、完全に見覚えのある三角形。


ピリピリとそのパッケージを開ける姿に、唖然とする。



成宮くんが手にしたもの。




それは……紛れもなく、普通のコンビニのおにぎりだった。



見慣れた、どこにでもあるツナのおにぎり。



袋の中を見ると、ちらりと見えただけでもおにぎり、サンドイッチ、お茶……と食料品ばっかりが入っている。


もちろんさっき私が早とちりしたような、薬やらなんやらなんてものは一切入っていない。



「……成宮くん?」


「……うん?」



もぐもぐと口を動かしながら、平然とこちらを見る成宮くん。


……まさかとは思うけど、今のって。



「……お腹が空いて……倒れたってこと?」


「……うん」


「………………えぇっ!?」



嘘でしょ!?


普通倒れる前に、お腹すいたなぁ〜何か食べよう!ってなるよね!?



私が温室に入ってから、何事もなかったように絵を描き始めてたけど。


描く前に食べようよ!



「ちょっ、ちょっと待って。いつから食べてなかったの?」


「ん〜……昨日……の、昼?」


「いやいやいや!そりゃ倒れるよ!?」


「……絵を描いてるとつい。……忘れちゃって」


「ついじゃないから!まさかいつもこんな感じなの?」


「たまに、隣の家にお邪魔させてもらってるけど。
それ以外はこんな感じ」


「えぇ〜……」



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