君と描く花言葉。



びっくりするほど不健康〜……!


これは隣の家の人も放っておけないよね……!



昨日の昼からって、今もう3時半過ぎてるよ…?


丸一日何も食べてなかったら、そりゃ倒れるよ……。



なんでも出来そうな成宮くんにまさかこんな一面があったとは……。



ここに来てからというもの、私の中の成宮くん像は一回粉々に砕かれて、全く違う形に再建された挙句さらに塗装に塗装を重ねられてるような気分だよ。



頭を抱えそうになる私を横目に、成宮くんは2つ目のおにぎりに手を出し始めた。


次の具は梅干しらしい。


食欲はちゃんとあるのね。それなのに忘れるのね……。



成宮くんの絵を描くことへの情熱が、これでもかってくらい伝わったよ。



さっきの、私の世界を描いてみるって言った時のキラキラした目といい、早く描いてほしいと言わんばかりの行動力といい……。


本当に絵が好きなんだなぁ、成宮くんは。



私は絵を描くことはもちろん好きだけど、ここまで全てを捨ててでも描きたいっていう意思はないもん。


だから、余計にすごいなぁって思う。



何を犠牲にしてでもやりたいと思うほど熱中できるのって、どんな感覚なんだろう?



少し、そんな感覚に陥ってみたい気もする。




……だからといって、ご飯まで忘れるのはダメだけど。


さすがに人間の身体は、ご飯なしで生きていけるほど丈夫じゃないと思う。



「もしかして、寝る時間も惜しんで描いてたりする?」


「うーん……。寝るのは、ちゃんと寝てる……と思う。
授業中とか」


「……それ、成績大丈夫なの?」


「多分。赤点さえ取らなければ、留年にはならない」


「基準そこかぁ……」


「俺、美術の推薦で高校入ったから……。
中学までは、成績もそれなりに良かったはずなんだけど」



また成宮くん像訂正。勉強は意外とできないらしい。


なんでもさらっとこなす、なんていう人間離れした人では、やっぱりなかった。



中学まではどうにかなるよね、わかるわかる。


私もそのクチだからね……。


今や勉強アレルギーかと思うほどに勉強嫌いだよ。


なんで偏差値高いところに入っちゃったんだろうって後悔しかけるくらい。



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