君と描く花言葉。
「はい」
「え?……俺に買ったの?」
二本のペットボトルだけが入ったコンビニの袋を差し出すと、そんなこと考えてもいなかったと言わんばかりの反応が返ってくる。
逆に考えてみて欲しい。
好きなものを聞くだけ聞いておいて、あげないってどうよ?
「うん。今日のお礼……にしては少な過ぎるけど」
「お礼なんていらないのに。
俺は、エリカの絵を見せてくれればそれでいい」
「いいからいいから。
というか、『ちゃんとご飯食べてね』の願いを込めたので是非受け取ってください」
「……。善処します」
にっこり笑って差し出し直すと、成宮くんは素直にコンビニ袋を受け取ってくれた。
どこか目は泳いでる気がするけど、そこは気にしないでおこう。
「勝手にミルクティー入れちゃったけど、大丈夫だった?」
「……ミルクティー、飲んだことない」
「えぇ!?それは飲んだほうがいいよ。絶対飲むべき!」
「う、うん……?」
「出来ることなら水道水じゃなくてこれからずっとミルクティー飲むといいと思う」
いや別にミルクティーじゃなくても、水道水じゃなければなんでもいいんだけど。
ミルクティー推しは単なる個人的な好みだからね。
そうだ、次来るときは色々持ってきてみようかな。
少しでも好きなものが見つかれば、食べないってことはなくなるかもしれないし。
目の前で倒れられるのは、なかなか心臓に悪かったからね…。