君と描く花言葉。



「エリカ、本当に彼氏作る気ないの?
楽しいよ〜?放課後デート。
ショッピング行ったりテーマパーク行ったり!」


「うーん、楽しそうではあるんだけどねぇ」


「あ、お互いの家行き来するのは鉄板ね!
浮気センサーは常に張っておかなくちゃ」


「高ちゃん……それは違うと思う……」



なんだかドロドロストーリーの匂いがしてきたぞ。


あと、放課後にテーマパークは時間が足りない気がする。



「ともかく!絶対彼氏は作った方がいいよ!世界変わる!」


「あはは……そのうち、できたらね。
無理に作るものでもないでしょ?」


「まあそうなんだけど。
とりま、できたらすぐ報告ね!」


「りょーかいです!」



ピシッと敬礼をしてきた高ちゃんに敬礼を返して、微笑みあってから2人揃って改めて筆を取る。



彼氏、ねぇ……。


そりゃ、興味はあるよ?

羨ましいなって思うし。


でも、やっぱり一回もできたことないからか、いまいちピンとこない。



まるで私の絵みたいだ。



金曜日ぶりに見る私のニゲラの絵は、一生懸命描いているつもりなのになんだか違う気がしてならない。



思い通りに描けていないのに、どこがいけないのかがわからない。


そんなことばっかりで、嫌になる。





まだ練習が足りないんだろうか。



……それともやっぱり、赤や緑を入れるような才能がある色使いができなければ、納得のいくニゲラにはならないのだろうか。



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