君と描く花言葉。
「…………あ」
そうだ。
違う世界の見方を、昨日教わったばかりじゃん。
今見てる世界が『なんか違う』なら、新しい世界を見れば良い。
まずは、そう、ジーッとニゲラを観察する。
ジーッと。
青い花びら。真ん中には緑と黄緑と濃い紫とで形成された、蕾のようなものがある。
正確には雄しべとか、雌しべとかそういうものなんだろうけど。
詳しくはよくわからない。
茎や葉っぱは細くて、なんだかチクチクしている。
十分に見終えたら、そっと目を閉じてみる。
そして、目の前にあるはずのニゲラを想像する。
私のニゲラは、一体どういう風に見えるんだろう。
昨日のアマリリスみたいに、違う色に見えるんだろうか。
だとしたら、何色に?
わくわくしながら、見えてくるのを待つ。
…………けど。
「……あれ?」
目を開ける。
目の前には、変わらず青いニゲラが置いてある。
……見えない?なんで?
セイジに教えてもらった時は、すぐに見えたのに。
諦めきれなくてもう一度やってみたけれど、やっぱり何も見えてはこない。
なんで……?
アマリリスは、その花言葉通りおしゃべりしているように見えて、ピンク色に……。
花言葉?
もしかして、私は花言葉から連想して私のアマリリスを見ていたのかな。