君と描く花言葉。




「楽しそう……か。……ありがとう、エリカ」


「こちらこそ。
私、この一週間でなんか、すごい色々得た気がする」


「得た?何を?」


「なんだろ。人生の楽しさ?」


「……大げさだな」


「あはは。前もこんな感じの会話した気がする」


「たまにエリカって、いきなり話のスケールがでかくなるよね」


「うーん、たまに、突拍子もない考えが出てくるみたい」


「もう完成間近のニゲラを塗りつぶしてみたり?」


「うんうん」


「一人で寂しい、とか言ってみたり?」


「うっ……その節についてはあの、忘れていただいて……」


「人の家覗いてみたり、ぶつかってみたり?」


「ちょっ、ストップストップ!!ごめんなさい!?
っていうか、そんなこと覚えてなくていいから早く忘れちゃって!?」


「ふっ……ははは!こう思い出すと、エリカって随分変わってる」


「セイジだって十分変わってるよ……」


「そうかな」


「そうだよ」


「変わってる俺はいや?」



そう言って、また上目遣い。


……なんか、ズルいなぁ、ふとした時に出てくるその顔。



全然憎めない。


すぐ絆されちゃう。


その仕草、すごく好き。



もしかして、上目遣いフェチなのかもしれない。


いや、そんなフェチがあるかは置いといて。



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