君と描く花言葉。




「……ううん。すごく居心地がいいよ」


「そっか。俺も、エリカと二人でいると、なんか言葉が自然に出てくる」


「そういえば。セイジって、学校では結構無口だよね」


「うん。話すこと、思い付かないし。
人と話すの、あんまり得意じゃなくて」


「実はこんなにおしゃべりだったなんて知らなかったなー」


「俺だって、エリカがこんなに変な人だとは思わなかった」


「ちょっと!引きずらないで!?」


「あはは。ごめん」


「もー……」



セイジって、意外と意地悪だったりする…?



まだ、知り合って一週間とちょっと。


話したのは大きく分けて4回目。



それなのに、どうしよう。


私、どんどんセイジに夢中になってる。



新しい顔を知る度、嬉しくなる。


私の中にあったわだかまりが、セイジの言葉で解けていく。



誰と話すよりも一番落ち着けて、自分らしくいられる。


セイジのことをもっと知りたいと思う。


セイジと、一緒にいたいと思う。




わくわくする。


どうしようもなく、わくわくする!



「よし、セイジ。絵を描こう!」


「?唐突だね」


「今、なんかすごい描きたくなったの!」


「あぁ。あるよね、そういうこと。
うん、じゃあ描こうか」


「うん!」



先週描いた、描きかけのアマリリス。


私は満遍の笑みを浮かべながら、そのキャンバスに向かった。











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