君と描く花言葉。



「あれ?もう食べ終わったの?」



アトリエに戻ると、セイジはもう立ち上がっておにぎりのゴミを片付けているところだった。


コップを渡しながら、一口飲む。


……やっぱりこのミルクティーは美味しい。



「うん。それより、早く飾ろう」


「額縁の色は?決めたの?」


「うーん、色々悩んだんだけど。
やっぱり、俺のと同じ木製のやつかな」


「同じアマリリスだからね」


「うん。あと、家が木造だから一番しっくりくるんだ」



……そう。


実は、私のアマリリスは、つい先週に完成したのだ。


乾かすために今日まで待って、それで、2人で額縁に入れて飾ろうって話していた。



私は週に一回しか来ないから、この絵の完成までにセイジはもう何作も書き上げていたけれど。


ずっとあのセイジのアマリリスの隣だけは、空けておいてくれていた。



「額縁はどこにあるの?」


「二階の奥の部屋。エリカはまだ行ったことないか」


「うん、初めて入る!」



ギシギシ言う階段を2人で登り、セイジが倒れたことのある部屋を通り過ぎ、さらに奥の部屋へ。



空腹のセイジに驚かされたのも、もう懐かしいなぁ。


あの時は本当に焦った。


何かの病気かと勘違いするくらい。




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