この空を羽ばたく鳥のように。




 私は手を伸ばして一度おろされた彼の手を取り、それを再び自分の頬に重ねる。
 喜代美の大きな手のひらに頬を埋めると、その温かさに身を預けるように目を閉じた。

 胸に広がる愛しさを噛みしめる。



 「帰りを待ってるから……」



 されるがまま手を預けていた喜代美は、慈しむようなまなざしを向けて頷いた。



 「はい」





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