初めてのフライト。

「あ、あのさ。
俺も1つ君に言っておきたいのだけど
いいかな?」

「何?」

真剣な表情で言う彼に動揺する。
すると

「もし…もしもだよ。
俺が無事に帰って来れたら
俺と結婚してください」

はい?

「どうしたのよ?
急にそんなことを言い出して」

突然のプロポーズに唖然とした。

ムードも何もない。
何故こんな時に
プロポーズをしてくるのだろうか?

「俺さ。前から思っていたんだよ。
夢が叶えて、立派にフライトが出来たら
君にプロポーズしようって。
そうしたら最高の記念日になるんじゃないかって」

真剣な表情から彼は、
冗談で言っている訳ではないと分かった。

だから、あんなに
訓練を頑張っていたの……?

私にプロポーズするために……。

鼓動が激しく高鳴った。
ドキドキして胸が熱くなっていた。

「じゃあ、俺頑張って来るよ!
約束だからね。
俺…命をかけて役目を果たして来るから」

そう言うと笑顔で手を振り行ってしまった。

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