忘れられない恋
杉本彩華、高校2年生。
この日、私はとてつもない恥を晒すことになった。
ーーピンポンパンポーン
『えー、2年5組杉本彩華、至急職員室に来なさい』ブチッ
「え?私!?」
りい「彩華何したのww」
「え、分かんないww」
りい「じゃあ先に下で待ってるわ!」
「おけおけ!サクッと終わらせて早めに行くね!」
りい「時間かかりそうだったらメールして!」
「りょーかい!」
この子は坂本里沙。
高校1年生の時に同じクラスになって、今じゃ親友。
2年生も同じクラスになった。
毎日一緒に帰ってる。
私はりいって呼んでる。
私はりいに手を振って、メイク道具と財布とケータイしか入ってないカバンを持って、職員室に向かった。
「失礼しまーす」
山本「おう、来たか」
「なんですかー」
山本「あー、ちょっとだけ待ってな。」
「早くして〜」
担任の山本。
イケメン風の面白い担任だ。
生徒から人気がある。
職員室にゾロゾロと生徒たちが入ってきた。
ある人は勉強を教えてもらいに、ある人は野球部の顧問である山本に今日のメニューの打ち合わせに、ある人はただ山本に絡みに、ある人は生徒会役員に関係する何か。
こんなにたくさん先生いるんだから、他にも聞いてあげなよ。と思いながら見てた。
なかなか生徒の輪から戻ってこない山本にイライラしてくる私...。
「山本!山本が呼び出したんでしょ!私帰りたいんだけど!用がないなら帰る!」
山本「待て待てww今言っていいのか?」
「早くしてよ!」
山本「お前、2年になって初めての学力テスト、どうだったか分かるか?」
「知らないよ!結果まだ見てないじゃん!」
山本「国語2点!数学0点!理科4点!英語0点!社...」
「待って!やめて!」
山本目当てに集まってる生徒たちからすごい目で見られた。
恥ずかしすぎて死ぬかと思った。
山本「だから待ってろって言っただろ」
「ひどいじゃん!点数バラすなんて!」
山本「お前さすがにやばいぞ?」
「私にどうしろって言うの?」
山本「補習だ」
「補習!?!?」
山本「うちは一応進学校だぞ、偏差値58の学校だぞ...さすがに補習くらい受けてくれ...」
「なんで!たまたまじゃん!」
山本「確かにお前はいつもは平均点以上の点数を取ってる、だけど、これはやばい」
「やばいやばいって...担任がやばい連呼しないでよー!」
山本「はははwwってことで今日からな!」
「今日から!?」
山本「あそこの面談室で待ってろw」
「ちっ、うぜー」
私はイライラしながら面談室に入った。
すぐにりいにメールした。
『りい、ごめん、点数悪くて補習だってさ、先に帰ってて!』
りい『え?なんの点数?』
『学力テスト』
りい『そんなやばかったの?期末テストとかでもないのに?』
『全教科10点にも満たしてなかった』
りい『それは補習だわ。wwがんばってー!』
『つらい〜』
山本が面談室に入ってくるまで、私は面談室の机に頭を伏せて寝ていた。
< 1 / 5 >