大宮課長は今日もいじわる
大宮課長が竹田さんにそう言い返して、
小声でふんっと言った。
「課長!それ、どういう意味ですか?!」
「気にすんな、深い意味はねえよ」
「味見って…!もしかして…
っ!いやらしい意味ですか?!」
「だーれが、お前みたいなお子ちゃまと、
やらしいことなんかすんだよ。
ばあーか!」
「だ、だって、今言った…」
「ああでも言わねーと、
あいつ、本気でやからしそうだからな」
課長は親指で後ろを指した。
振り替えると竹田さんはまだ立っていた。
だいぶ小さくはなっているけど。
そして、私と課長はなぜか手を繋いだまま、
というよりは、
課長が私の手を握りつぶしかけたまま、
駅に着いたのだった。
改札口で自由になった私の手は、
感覚がなくなっていたけど。