大宮課長は今日もいじわる

「はあ?何て?」
「…だから、大宮課長とはもう
関わらないようにします」

私は涙をぬぐった。
そうだよ。こんな意地悪な人、
関わっちゃダメだ。

「んじゃあ…こうしても?」
「何がです…」
私が言い終わらないうちに、
課長が私の口をふさいだ。
「…?」
暗かったからはっきり見えた訳じゃない。
だけど、私が大きく見開いた目の前には
課長の顔があったし、
私の唇に被さったのは、課長の唇だ。

突然降ってきたキスに私は動揺し、
持っていたスプーンを落としてしまった。

カランカラン!

静まり返った
夜中のキッチンに響いたその音は
あまりにも大きすぎた。

その音が鳴ったと同時に、
課長は私から素早く離れ、
おいっと小声で言った。

私がしゃがんで
スプーンが落ちた辺りを手探っていた時、
真希ちゃんの部屋から音がした。
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