大宮課長は今日もいじわる
真希ちゃんの部屋のドアが開く音がしてすぐ、
キッチンとリビングルームの電気がついた。
眩しさに私は思わず目をつぶった。
「何してるの?」
真希ちゃんは眠そうな声でそう言った。
「あ、あの…これはね…」
私がそう言いかけると、
大宮課長が先に答えた。
「こいつがプリン食いたいから
スプーンを探せとか言ってさぁ」
「スプーン?」
「んで、暗闇の中、見つけ出してやったのに、
こいつ、落としやがった」
課長は斜め上から私をちらりと見た。
「なんだ…電気つけたらよかったのに」
真希ちゃんはそう言うとふわぁとあくびした。
「じゃあ、潤、私の部屋で寝よう?」