大宮課長は今日もいじわる
噂というのはあっという間に
広がるもので、
翌日出勤すると、
中途採用で営業マンが
一人入社するという話で
フロアがざわついていた。
「ねぇねぇ、
新人さんって何歳くらいなんですか?」
「分からないけど、若そうって話だよ」
「イケメンだといいなぁ。
結婚はしてるんですかね?」
「ちょっとー、狙う気満々じゃーん」
という女子社員のひそひそ声が聞こえてくる。
私はパソコンの電源をつけた。
「いちいちうるさいなぁ」
川崎さんがコーヒーをすすりながらため息をついた。