大宮課長は今日もいじわる

月曜日。

何となく会社に着いて、
ぼーっとしながら着替えを済ませ、
あくびをしながらデスクに向かった。

「あら、大きなお口ね」

運悪く、そこを
前を通った村山さんに見られてしまった。
慌てて口を閉じる。
「すみません…」
村山さんはあきれたように
ため息をついた。
「今日から新しい子が来るんでしょう?
あなたなんかが先輩で気の毒ねぇ」
大宮課長のように、
冷たい視線を浴びせてくる。
時々この二人は雰囲気が似ているな。
「別に…先輩っぽく振る舞いません」
「なによ。
少しくらいプライドを持ちなさいよ」
そう言って村山さんは去っていった。

そうだった。

村山さんに言われるまですっかり忘れていた。
新人さんのこと。

どうりでみんながざわざわしてるわけだ。
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