大宮課長は今日もいじわる
「実は、水本が駅のカフェから
真希と一緒に出てくるのを見かけた。
おかしいと思って、
俺が後日、水本を脅したら、
あっさりはいた」
川崎はパンを完食し、
右手をあげてウェイターを呼んだ。
「あ、パンもう一つ、頂けます?
…えぇ?どうやって脅したんです?」
「今あいつ、試用期間だから、
本採用を取り止めてやるって。
それから、
嘘の履歴書を所長にばらすって」
「へぇー。そんなことであの子、
はいちゃったの?」
「あいつ、ずっとホストをやめて、
サラリーマンになりたかったらしい。
今回やっと採用にこぎつけたから
この仕事を意地でも
手放したくないんだと」