大宮課長は今日もいじわる
大宮課長は真剣な眼差しで、
私を見つめた。
「真希はお前に、
俺の過去を話さない代わりに、
俺に恋人のふりをして欲しいって言った」
「潤!!!ゆずちゃん、
潤は人殺しなんだから!!」
真希ちゃんはそう言って、
私の腕を掴んだ。
「え…と、どういう…」
「別にいい、言えよ、真希」
大宮課長はうつむいてぽつりとそう言った。
「潤は私のお父さんを殺したの!
ねぇ、ゆずちゃんはそんな人と
一緒にいたくないよねぇ?!」
真希ちゃんの話し方は、半分悲鳴だった。
「真希ちゃん、落ち着いて…」
「っ!お願い、
潤のことなんか嫌いよね?ね?
そう言って…ゆずちゃん」