大宮課長は今日もいじわる
課長は私たちの小さいソファーに
遠慮なく腰を下ろし、
キッチンでこそこそする私の名前を呼んだ。
「あ、はい…」
すっぴんを至近距離で見られないよう、
課長からは常に遠ざかっておかないと。
「お前、私服クソだせーな」
やっぱり!ほら!やっぱり!
こういうことだと思ったよ。
これを言う為に真希ちゃんに
私に知らせないように言ったんだ。
大宮課長はそういう人だもんな。
「これは、部屋着ですー!
しかも今日はたまたまクソださいんですー!
いつもはもっとかわいいですー!」
ま、嘘だけどね。
彼にはそこそこ反撃しておかないと。
普段からいじめられてばかりだしな。
課長は眉をつり上げた。
「真希、ほんとか?」
ん?あれ?課長も真希ちゃんのこと、
下の名前で呼んでる?
「ま、まあー…」