大宮課長は今日もいじわる

と、ぼーっと課長を見つめ返していると、
「ばあーか」
と言われ、そっぽを向かれた。
何がばかなのか分からないけど、
今日はなぜか言い返す気にならない。

「課長、二次会はいいんですか?」
「行きかけたけど、やめた」
「どうしてですか?」
「はあ?お前が心配だからだろ」

ほえ?!
私の心臓が急に飛び跳ねた。
北風がびゅうっと吹いて
課長はぶるっと震えたのに
私は寒くなかった。

「おいおい、勘違いすんなよ。
部下が公共の場で、
他人にげろなんかぶっかけてみろ、
俺の立場が危うくなる」
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