大宮課長は今日もいじわる
私、死ぬほどださい。
でも、まぁ、仕方ないかぁ。
諦めは大切。
コートの下、裸、というわけにはいかないし、
今から別の服に着替える、
なんてことはできない。
無理なもんは無理なので
このまま大恥をかくしかない。
しっかりコートで
くそださコーデを隠し、
更衣室を出ると、すぐ左手にある
エレベーターの前で
大宮課長が立っていた。
黒いコートに青と白の細いラインが
入ったマフラーを巻いている。
かっこいいなぁ…。
壁にもたれて少しうつむいている
課長を見てそう思ってしまった。
あぁ…モデルみたい。
私のブーツがカツカツいう音を聞いて
課長が私に気付いた。
「おっせーな」
「課長、終わるの早すぎです!」
だって、私が着替えてる間に全て済ましてる!
「はあ?お前が遅い。
ほら、さっさとこっち来い!」
大宮課長はエレベーターの下ボタンを連打した。