大宮課長は今日もいじわる
「ぎゅう…どん…?」
そこにあったのは恐らく日本中
どこでもあると思われる
牛丼のチェーン店。
いや、そんなはずではない、と
辺りを見回すが、
近くには自転車屋さんと
古い楽器屋さんしかない。
「なあんだよ、肉だろ?」
課長を見上げると、
でました、いつもの意地悪な笑み。
がっかりして私はうなだれた。
まさか、チェーンの牛丼屋とは…
おしゃれな鉄板焼の店だと思ったのにぃー!
そう心の中で叫んだ。
「俺が、お前みたいなお子ちゃまと
大人な店に行く分けねーだろ、ばあーか」
「そんな、行きたいなんて言ってません」
大宮課長に心の中を読まれて
ギクリとしたから、必死に抵抗する。
「はん?うそつけ。
お前の考えてることなんか99%分かるっての」