大宮課長は今日もいじわる
分かってるのに、
わざとそれらしい感じに言って
私を期待させたのか!
やっぱりいじわる。
悔しいけど、それ以上の抵抗は止め、
店内へ入っていく課長の後に続く。
席につき、コートを脱いで
椅子の背もたれにかけると、
ただならぬ視線を感じた。
ふと顔を上げると課長が
私のニットのトップスを凝視している。
「おい。南」
「な、なんでしょう?」
「なんだその廃棄待ちセーターは」
…しまった!
と、バカな私はここでやっと
クソダサコーデだったことを
思い出したのだった。
「あぁ、これはですねっ…」
両腕を胸の前で交差させ、目線を下に落とす。
恥ずかしすぎて顔が熱くなるのがわかった。
「こ、こういうデザイン…」
「んなわけないだろ」