大宮課長は今日もいじわる
大宮課長は優しかった。
クソださコーデの私を気遣い、
一番目立たない隅っこの席に私を座らせたし、
課長がお酒が好きなことも話してくれた。
課長が自分のことを話してるところなんて
一度も見たことがないし、
もちろんボルドーワインが一番好きだと
いうことも知らなかった。
課長自身のことを少し聞いただけなのに、
心が踊った。
もっと知りたい、もっと聞きたい、
もっと一緒にいたい。
やっぱり課長のことを諦めることはできない。
どんなに意地悪をされても。
と思ったのだ。
そして、私は気持ちよくなり、
気付いたら、自分の家のベッドで寝ていた
というわけだ。
真希ちゃんによると、私がよろめきながら
家に入ってきたそうで、
どうやって家に到達したかは不明だ。
まあ、さっきの課長の言葉を聞くと
私はタクシーで帰ってきたのだろうけど。