はなかんむり。
不幸の訪れ
「はぁ……楽しかったぁ……」
舞踏会あんなに楽しかったことってあったっけ?
なんだか、今日の舞踏会は特別だったなぁ。
今は自分の部屋でゆっくりコーヒータイム。
それと舞踏会であまったフルーツタルト!
あまったってかこっそり持ってきたやつだけど……
「ナイト……どこにいるのかな……」
なんで、ルイトくんはナイトのこと知らないのかな?
もしかして、ナイトは存在しないとか???
いや、そんなはずはない!
だってあたしは会ってるんだもの!
いないとかないないない!
……コンコン
ん?こんな時間に誰だろ?
「はーい」
「遅くにごめんよ。アリゼス」
「リアムお兄様どしたの?」
「少し気になってることがあって」
「気になってること?」
「あぁ。アリゼス、ナイト王子のこと知っているか?」
「うん!知ってるよ!」
「やっぱりか……彼に最後にあったのは?」
「え、ついさっ……」
……もしかして?
リアムお兄様なんかすごい不安そうな顔してる。
こりゃ、さっき、なんて言ったらまずいかな……
「っ……あー、えっとー、幼いときにあっただけだよ!」
「そうか、ならよかった」
「あったら駄目なの?」
「僕が聞いたところそのナイト王子は去年亡くなったんだ」
「え……」
どうして、今日ナイトに会ったよ?
そして話したよ?
なんで、え、なくなった???
「それで、ナイト王子は今もこの世をさまよっているらしく、幽霊白馬にのって、亡くなる前に恋をしていたある王女様を探しているらしい」
「王女様……を?」
「そうなんだ。それで、その王女様なんだがナイト王子が恋をしている王女様。つまり、ナイト王子の思いをよせる相手にだけナイト王子がみえるらしいのさ」
「……そーなんだ…」
あたしはナイトのことみえた。
てことは、ナイトはあたしが好きってこと……?
「まぁ、幼いときならナイト王子は生きていたから安心だな」
「うん……」
「もし、亡くなってしまったナイト王子をみてしまったらある大変な不幸がその王女様に訪れてしまうらしい」
「……へー……たっ大変だね」
「だろう?だから、アリゼスも気を付けるんだよ」
「うん!わかった……ありがとうリアムお兄様!」
「可愛い妹のためだ。なんてことないよ。それじゃ、アリゼスまた明日!おやすみ」
「おやすみなさい」
リアムお兄様があたしの部屋から出ていく。
ナイトがなくなった……
しかもリアムお兄様のあの話本当なの??
ある大変な不幸……
それってあたしに起こるってこと???
だって、あたしはなくなったナイトをみてしまったから……
不幸ってなに?
まったく想像できないよ……
その夜あたしは考えつかれて、気づいたら寝てしまっていた。
*
「ふぁわ……」
小鳥の鳴き声で目を覚ます。
窓からあたしの大好きな花壇がみえる。
今日も元気になってもらわなきゃ!
水あげないとな。
いつものように用意されていたドレスをきて
髪型をととのえて廊下へ出る。
「アリゼス様おはようございます」
「おはよう」
メイドさんがあたしに挨拶をしてくれた。
このメイドさんはいつも舞踏会のときのドレスを整えたりしてくれるメイドさんだ。
「朝お早いですね」
「なんだか、目が覚めてしまって」
「よく眠れませんでしたか!?大丈夫です!?」
「そんな!大袈裟な!大丈夫だよ」
「なら、安心です。またいつもの花壇へお行きになられるのですか?」
「そうなの」
「なら、お手伝いいたします」
「ほんと!?ありがと!」
メイドさんは一礼をして二人分のじょうろを用意して
あたしに渡してくれた。
外に出るとすぐに花壇がみえる。
花壇っていってもめっちゃあるんだけどね……
えっと、あたしのお気に入りの、花はっと
あ!あった!あった!
「あたしこのパンジーすごく好きなんです」
「このパンジーは不思議なんですよね……」
「不思議って?」
「アリゼス様が幼いときときから植えていますが冬が訪れてもまったくかれないのですよ」
「へぇ……すごいね」
「ですよね。たしか隣国から頂いた種だったような気がします」
「なにか特殊な種なのかな?」
「かもしれませんね」
二人でクスッと笑いあったあと
メイドさんとコツコツと水を花にやっていった。
*
「さぁ、そろそろ朝ごはんですね。お城のほうに戻りましょうか」
「うん!そうだね」
と……そのとき
「あっウサギ……」
真っ白なウサギがあたしの前を通った。
ウサギはどんどん跳ねていき、車が走る道路のほうへ……
そのときおおきなトラックがウサギに向かって走ってきた。
「え……うそ」
ちょっとまって!!!!
ウサギさん!助けてあげるから……
ウサギを両手で抱え込む。
そして優しく抱きしめる。
よかった……
……???
……ドンッッッッ!!!!!!!!
……………………ん?
視界が揺らぐ……
あれ……?
あたし……
誰かがあたしの名前を呼ぶ……
あれ……体が動かない
ウサギはあたしから離れようとしない……
ウサギはあたしの頬に顔をすり付ける、
ウサギさん、助かったんだね、
よかった……
これがあたしに起きた“大変な不幸”。
登場人物紹介3
リアム.シャルパンティエ
アリゼスのお兄さん。
年齢は18歳。
たくさんの他国の王女から人気を集めている。
アリゼスとルイーズ思いの心優しいリアム。
レオナス王国の第一王子。
舞踏会あんなに楽しかったことってあったっけ?
なんだか、今日の舞踏会は特別だったなぁ。
今は自分の部屋でゆっくりコーヒータイム。
それと舞踏会であまったフルーツタルト!
あまったってかこっそり持ってきたやつだけど……
「ナイト……どこにいるのかな……」
なんで、ルイトくんはナイトのこと知らないのかな?
もしかして、ナイトは存在しないとか???
いや、そんなはずはない!
だってあたしは会ってるんだもの!
いないとかないないない!
……コンコン
ん?こんな時間に誰だろ?
「はーい」
「遅くにごめんよ。アリゼス」
「リアムお兄様どしたの?」
「少し気になってることがあって」
「気になってること?」
「あぁ。アリゼス、ナイト王子のこと知っているか?」
「うん!知ってるよ!」
「やっぱりか……彼に最後にあったのは?」
「え、ついさっ……」
……もしかして?
リアムお兄様なんかすごい不安そうな顔してる。
こりゃ、さっき、なんて言ったらまずいかな……
「っ……あー、えっとー、幼いときにあっただけだよ!」
「そうか、ならよかった」
「あったら駄目なの?」
「僕が聞いたところそのナイト王子は去年亡くなったんだ」
「え……」
どうして、今日ナイトに会ったよ?
そして話したよ?
なんで、え、なくなった???
「それで、ナイト王子は今もこの世をさまよっているらしく、幽霊白馬にのって、亡くなる前に恋をしていたある王女様を探しているらしい」
「王女様……を?」
「そうなんだ。それで、その王女様なんだがナイト王子が恋をしている王女様。つまり、ナイト王子の思いをよせる相手にだけナイト王子がみえるらしいのさ」
「……そーなんだ…」
あたしはナイトのことみえた。
てことは、ナイトはあたしが好きってこと……?
「まぁ、幼いときならナイト王子は生きていたから安心だな」
「うん……」
「もし、亡くなってしまったナイト王子をみてしまったらある大変な不幸がその王女様に訪れてしまうらしい」
「……へー……たっ大変だね」
「だろう?だから、アリゼスも気を付けるんだよ」
「うん!わかった……ありがとうリアムお兄様!」
「可愛い妹のためだ。なんてことないよ。それじゃ、アリゼスまた明日!おやすみ」
「おやすみなさい」
リアムお兄様があたしの部屋から出ていく。
ナイトがなくなった……
しかもリアムお兄様のあの話本当なの??
ある大変な不幸……
それってあたしに起こるってこと???
だって、あたしはなくなったナイトをみてしまったから……
不幸ってなに?
まったく想像できないよ……
その夜あたしは考えつかれて、気づいたら寝てしまっていた。
*
「ふぁわ……」
小鳥の鳴き声で目を覚ます。
窓からあたしの大好きな花壇がみえる。
今日も元気になってもらわなきゃ!
水あげないとな。
いつものように用意されていたドレスをきて
髪型をととのえて廊下へ出る。
「アリゼス様おはようございます」
「おはよう」
メイドさんがあたしに挨拶をしてくれた。
このメイドさんはいつも舞踏会のときのドレスを整えたりしてくれるメイドさんだ。
「朝お早いですね」
「なんだか、目が覚めてしまって」
「よく眠れませんでしたか!?大丈夫です!?」
「そんな!大袈裟な!大丈夫だよ」
「なら、安心です。またいつもの花壇へお行きになられるのですか?」
「そうなの」
「なら、お手伝いいたします」
「ほんと!?ありがと!」
メイドさんは一礼をして二人分のじょうろを用意して
あたしに渡してくれた。
外に出るとすぐに花壇がみえる。
花壇っていってもめっちゃあるんだけどね……
えっと、あたしのお気に入りの、花はっと
あ!あった!あった!
「あたしこのパンジーすごく好きなんです」
「このパンジーは不思議なんですよね……」
「不思議って?」
「アリゼス様が幼いときときから植えていますが冬が訪れてもまったくかれないのですよ」
「へぇ……すごいね」
「ですよね。たしか隣国から頂いた種だったような気がします」
「なにか特殊な種なのかな?」
「かもしれませんね」
二人でクスッと笑いあったあと
メイドさんとコツコツと水を花にやっていった。
*
「さぁ、そろそろ朝ごはんですね。お城のほうに戻りましょうか」
「うん!そうだね」
と……そのとき
「あっウサギ……」
真っ白なウサギがあたしの前を通った。
ウサギはどんどん跳ねていき、車が走る道路のほうへ……
そのときおおきなトラックがウサギに向かって走ってきた。
「え……うそ」
ちょっとまって!!!!
ウサギさん!助けてあげるから……
ウサギを両手で抱え込む。
そして優しく抱きしめる。
よかった……
……???
……ドンッッッッ!!!!!!!!
……………………ん?
視界が揺らぐ……
あれ……?
あたし……
誰かがあたしの名前を呼ぶ……
あれ……体が動かない
ウサギはあたしから離れようとしない……
ウサギはあたしの頬に顔をすり付ける、
ウサギさん、助かったんだね、
よかった……
これがあたしに起きた“大変な不幸”。
登場人物紹介3
リアム.シャルパンティエ
アリゼスのお兄さん。
年齢は18歳。
たくさんの他国の王女から人気を集めている。
アリゼスとルイーズ思いの心優しいリアム。
レオナス王国の第一王子。