ありがとう。-先輩、もう会えないのですか-
〖2〗
『いつもお世話になってるから』
母のこの言葉で、金橋は今佐藤宅のチャイム前に佇んでいる。__饅頭を手に。
「ふう」
一呼吸置き、暴れている心臓を抑えながら。金橋はチャイムを押した。
-ピンポーン
......。
反応無し。
「い、ない?」
ほっとしているのか何なのか。
これにより金橋は踵を返した。...が。
「あれ。金橋さん」
硬直。
耳に届くのは、忘れるはずのない、あの低い声だった。
「さ、佐藤さん...」
ぎこちなく振り返った金橋に、無邪気な笑顔を向けた、佐藤さん。
__だめだ、眩しすぎる。
そんな彼女の心の内も知らず。躊躇いもなく金橋との距離を縮める佐藤さん。
「どうしたの?」
「あ............お、お饅頭...持ってきまし、た.........」
__これでは彼に不審がられる。
金橋は佐藤さんに変な印象は与えまいと、言葉を繋いだ。
「そ、それにしても、ききき今日は天気が良いでしゅ」
そこで固まった。噛んでしまったからだ。
穴があったら入りたい、とでもいうような顔の彼女に対し。佐藤さんは笑っていた。
「クッ...面白いね」
笑い過ぎて涙目になっていた程だ。
やがて笑い終わると、佐藤さんは何事かを話し始めた。
「金橋さんて、可愛いよね」
母のこの言葉で、金橋は今佐藤宅のチャイム前に佇んでいる。__饅頭を手に。
「ふう」
一呼吸置き、暴れている心臓を抑えながら。金橋はチャイムを押した。
-ピンポーン
......。
反応無し。
「い、ない?」
ほっとしているのか何なのか。
これにより金橋は踵を返した。...が。
「あれ。金橋さん」
硬直。
耳に届くのは、忘れるはずのない、あの低い声だった。
「さ、佐藤さん...」
ぎこちなく振り返った金橋に、無邪気な笑顔を向けた、佐藤さん。
__だめだ、眩しすぎる。
そんな彼女の心の内も知らず。躊躇いもなく金橋との距離を縮める佐藤さん。
「どうしたの?」
「あ............お、お饅頭...持ってきまし、た.........」
__これでは彼に不審がられる。
金橋は佐藤さんに変な印象は与えまいと、言葉を繋いだ。
「そ、それにしても、ききき今日は天気が良いでしゅ」
そこで固まった。噛んでしまったからだ。
穴があったら入りたい、とでもいうような顔の彼女に対し。佐藤さんは笑っていた。
「クッ...面白いね」
笑い過ぎて涙目になっていた程だ。
やがて笑い終わると、佐藤さんは何事かを話し始めた。
「金橋さんて、可愛いよね」