不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜

プライドをずたずたにしてやるつもりでそう言うと、狙い通り彼女は恥ずかしくなったらしく、「そんなんじゃないわよ！」と叫びながら席を立ち、走り去っていった。

ギャラリーも静かになり、それぞれのテーブルが自分たちの話に戻っていく。

「……久遠くん」

私は彼の対面ではなく、隣に座り直し、髪を撫でた。彼はまだ小さな子供のように項垂れている。

「ダメでしょう？いくらなんでも手を出したら。胸ぐらを掴んだだけでも、今は何を言われるか分からないんだよ？」

私の冷静な説教に、さらに肩を落とす。顔だけをこちらへ向けて、霞んだ瞳で見つめてきた。

「ごめん、美和子……」

「私のために怒ってくれたのは分かってるから。大丈夫。……ふふ、そんなに落ち込まないで？」

頬に手をあてると、彼は大人しくそれを受け入れた。人目につく場所だが、私は少し、キスをしたくなった。もちろんしないけど。

私の機嫌を伺う彼の切ない表情は、甘やかしてあげたい衝動にかられるのだ。