不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
もちろん、私たちが清い関係だなんて言わない。お互いの気持ちを打ち明けたその日に、体も繋げている。

それからの二ヶ月間も、彼に抱かれたことは何度かあった。しかし、ほんの、片手で数えられる回数だけだった。

手を出そうとしない、というのはつまり、彼から私に触れてこないということ。
彼に迫るのはいつも私からなのである。

「あ、そうだ、久遠くん。トークショーの依頼が来てたんだった。一応、渡しておくね」

「……は?」

大型書店の店舗十周年のイベントで、読書家たちに向けて行われるトークショー。ゲストとして、久遠くんに白羽の矢が立った。

開催場所やトーク内容について詳しく書かれた依頼書を一枚、テーブルの上に出した。
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