不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
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トークショーを最後まで見たあと、私は書店の担当者と話し込んでいた。
気になる本を数冊購入したあとで、やっと会場を後にする。
すると、書店から出たところで、また伏見さんに呼び止められた。
「秋原さん」
彼は素早く手続きを終えてきたらしく、荷物もバッグひとつで、身軽だった。
「伏見さん。お疲れ様でした。加地さんのお話、面白かったです。ご本人にもよろしくお伝えください」
「ええ。あの、加地に差し入れをして下さっていたようで」
「はい。大したものではないんですけど、開催前に受け付けにお渡ししました」
「ありがとうございます。喜んでいました」
最後にお辞儀をすると、はらりと雨粒が頭に落ちた。雨だ。
台風が来るのは翌日で、前後は晴れているとの予報だったのに。
私も伏見さんも、空に目を向けていた。
トークショーを最後まで見たあと、私は書店の担当者と話し込んでいた。
気になる本を数冊購入したあとで、やっと会場を後にする。
すると、書店から出たところで、また伏見さんに呼び止められた。
「秋原さん」
彼は素早く手続きを終えてきたらしく、荷物もバッグひとつで、身軽だった。
「伏見さん。お疲れ様でした。加地さんのお話、面白かったです。ご本人にもよろしくお伝えください」
「ええ。あの、加地に差し入れをして下さっていたようで」
「はい。大したものではないんですけど、開催前に受け付けにお渡ししました」
「ありがとうございます。喜んでいました」
最後にお辞儀をすると、はらりと雨粒が頭に落ちた。雨だ。
台風が来るのは翌日で、前後は晴れているとの予報だったのに。
私も伏見さんも、空に目を向けていた。