不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
彼の耳に触れていた手を首の後ろへとずらして、グッと力を入れて引き寄せた。前のめりになってベッドに手をついた彼にかまわず、私はもっと近づけていく。

「美和子、なにっ……」

ちょうどいい位置まで引き寄せた彼の耳に、唇をつけた。

「美っ……」

途端に、唇で感じた耳たぶが熱を持ったのが分かった。
体を支えている彼の腕が震えているのに、私は無視して頭を抱きしめ、攻め続ける。

「答えて、久遠くん。気になるから」

答えられるように唇にはキスをしない。答えさせるべく、耳だけを執拗に攻めた。

「……だ、だからっ……何回か会って、泊めただけでっ……好きでもなんでも、ねぇし……」

クチャクチャと音を立ててみせると、彼は肩を震わせてキュッと目を瞑っていた。
悩ましげな表情だが、どこか期待している雰囲気もある。
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