不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜

「本当に？」

「ああっ……」

「でも久遠くんは、その人たちを抱いたんでしょう？」

ついに核心を突く。彼女たちを抱いたことを私に謝って、そして私を同じようにちゃんと抱いてほしい。

抱けないなら今日みたいなことをまたするかもしれない、と脅してやるから。

久遠くんは黙り込み、私が少し怒っていることを感じ取った。

「美和子……怒ってるのか？」

「別に。……ただ、あんな綺麗な人たちと付き合ってたんだなぁって。その人たちにも、たくさんキスして、抱きしめて、愛してるって言ってたの？」

なんでこんなことを聞いているんだろう。

「言ってない！キスも、してないっ……」

耳から唇を離して、彼を睨み付けた。そんなこと、今さら言われても私の心の傷は癒えない。ちゃんと態度で示してもらわなきゃ。

彼をここまで攻めているのに、彼はキスのひとつも返してはくれない。
キスしてよ、久遠くん。
私からばかりじゃなくて──……

「……キスは嫌いだった」

──え。

私は手を離した。
髪を撫でるのもやめて、ポカンと口を開けたまま咄嗟に「なんで？」と聞いていた。