不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
「ありがとう。すぐ出るね」

「わ、悪い……寒かっただろ」

「ううん」

まだ脱衣場に久遠くんがいるのに、私は服を脱ぎ出した。雨で肌に貼り付いたブラウスを剥がして、ブラジャーのホックを外す。

パサッと音を立ててブラジャーが落ちると、久遠くんはゴクリと喉を鳴らした後で、背を向けた。

「み、美和子……じゃあ俺、出てるから」

「うん」

最後の望みをかけたつもりだったが、ダメだった。彼は紳士的に私から目を伏せたまま、何もせずに脱衣場を出ていった。

冷えた体を熱いシャワーで温めていると、意識がボーッとしていく。

この体はそこまで魅力がないだろうか。浴室の姿見に写る自分と、いつか会った久遠くんの元彼女を比べていた。
……もちろん、劣っている部分は色々とあるだろう。でも別に、私だって何も努力していないわけはないのに。

自分を否定された気がして、シャワーの熱さで赤く変わる体が悲鳴を上げていた。
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