不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
彼が貸してくれたパーカーを着て、脱衣場から戻った。ズボンも置いていてくれたようだが、彼の服はあまりにも大きすぎる。パーカーだけで太ももまで隠れる大きさがあるため、これで充分だった。

「あがったよ。久遠くんも入ってきて」

部屋に入ると、彼は私の姿を見て目を丸くしていた。

「……下も、置いておいただろ」

「うん。でも、大きいからこれだけでいいや。ありがとう」

断りもなく、空いている彼のベッドの中に潜り込んだ。脚を冷やすといけないからここにいたい。
ベッドの中で小さく丸まると、久遠くんは一度こちらに来て、そばに立った。

「美和子……」

「何?」

私は少し投げやりに返事をした。別にいいじゃん、私には欲情しないんでしょ、と。
今まで私から彼に触れることは何度かあったが、無防備を装って誘うようなことはしたことがなかった。仕事の延長で彼に会うことが多かったからだ。

だから、もしかして今日は、と期待もしたが、やはり彼は何もせずに脱衣場へ向かった。
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