不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
「ん?」

「断っていいのかよ。その、お前は……」

久遠くんの言いたいことは分かった。トークショーを断ったら、私が怒られることになるのでは、と心配してくれている。彼は不器用だけど、とても優しい人なのだ。

でもそこが久遠くんの可愛いところで、ならトークショーに出てくれるのか、と聞いたところで、おそらくそれはできないはず。
私の出方に胸を騒がせているだけなのだ。

「大丈夫だよ、こんなの出なくて。久遠くんを人前に出して売り出そうとするなんておかしいし、少し反省してもらわなきゃね」

笑顔で答えたが、彼は目を細めたままだった。

彼が愛しくなって、私はソファで距離を詰めた。手首を掴んでいる彼の手から、腕の根本へ向かってなぞるように触れていき、そこから背中をポンポンと叩いた。

「心配しないで。久遠くん。本当に大丈夫だよ」

背中からさらに上へ上へと動かして、彼の髪に到達した。優しく撫でていると、彼の目の奥が、不安から情熱に変わっていった。
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