不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
──ギシッ
ベッドが揺れた。沈んだ後でさっきより高く戻ったから、座っていた久遠くんが立ち上がったのだと感じ取れた。
勇気を出して、薄目を開けてみる。
すると、立ち上がった彼がこの寝室を出ていこうとする姿が見えた。

……って、続きは? まさかここで終わり?

戸が閉まる。彼が部屋からいなくなり、私は目をしっかりと開けた。体は起こさずにいたが、もう眠気はふっとんだ。

まさか、幻滅された? 下着をつけていなかったのは、そんなにいけなかったの?

私の無意味なトラップに彼を嵌めてしまったのは悪かったけど、出ていくことないじゃない。普通、続きをするでしょ。
頭がサッと冷えていく。

下着をつけなかったのは、雨で濡れて気持ち悪かったことと、あと出来心だ。
それに対する言い訳を必死で組み立てながら、私は久遠くんを待っていた。このままにはできない。これでは私は破廉恥な女というだけになってしまう。
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