不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
私はベッドから起きて、こっそりと音を立てずに追って部屋を出た。寝室から出ると何もないリビングがあり、その壁際にキッチンやら他の部屋への扉やらが貼り付いている。
リビングにはいない。久遠くんはどこ?

こうして追いかけて言い訳をすると私が寝たふりをしていたことがバレるのだが、今の私はそこまで頭が回らなかった。
とりあえず久遠くんを探し出して、「あのね、下着を履くのを忘れてたの」と言わなければ死んでしまう。このまま黙殺されては困るのだ。

暗い中を目視で探すのはやめて、私は耳を澄ませてみた。

すると、かすかな衣擦れの音が、トイレから聞こえてきた。
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