不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
ひた隠しにしてきた欲望
驚かせないように、ゆっくりとドアを開けた。

トイレの壁にもたれかかって座っている久遠くんがいて、彼は虚ろな目をして憔悴していた。

体は服のなかにきちんと仕舞われていて、トイレも、トイレットペーパーも使った様子がない。私は本当に途中で声をかけたようだった。
でも、この状態で再開する気力はないだろう。

「久遠くん。ベッド行こう」

私は手を差し出した。
とってくれないので、強引にひとつ掴もうとすると、彼はそれを避けた。

「……触らねぇ方がいい。手を洗ってくる」

「後でいいよ。行こう。……私も汚しちゃったでしょ、久遠くんの手」

彼は耳まで赤くなった。手をとってあげると、まだ色々した手で私に触れることを躊躇しているようだが、私がそれを強引に離さなかった。
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