私と彼の攻防記録
─────恋愛はしない。
そうあの日誓った。
「別れよう。仕事だけやってけばいいだろ。」
「俺と仕事どっちが大切なんだよ??」
仕事一筋の私は、自分で言うのは何だけど、エリートと呼ばれる類には入っていたと思う。常に残業は当たり前、休日もろくに休みはなく、彼氏とすれ違いが多かった。
彼氏と上手くコミュニケーションをとれていないことはわかっていた。
けれど、現状を解決する術はなく、どうすればいいかもわからなかった。
家に帰ると、散らばったビールやカップ麺。彼氏は既に寝ている。
悲しい現状に、涙が出てくるけど、それを招いたのは自分だ。
そして、
「別れよう。」
私の頬を、得体の知れない何かが流れた。
仕事が定時に終わらないっていうこともだけど、彼氏に対して上手く言葉をかけてあげられない自分が悪い。
自分の要領の悪さが憎い。
同じ結末をみたくないという自分の我儘。
だから私は誓った。
もう恋愛はしない。
だけど、その決心を揺るがす日が来るなんて、思いもよらなかった。
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