私と彼の攻防記録
「ちょっと!調子に乗らないでよね!」
「神宮寺さんに案内したからって、すぐに調子に乗るんだから!」
「仕事バカのくせに。」
「仕事と付き合いなよ。」
「皆、気にしなくても、こんな女子力皆無の女なんか相手にしないって。」
職場に戻ると早々、陰口を叩かれる。
大丈夫、慣れてる。毎回言われてきたこと。今だけだから。涙をこらえ、ぐっと拳を握りしめた。
困ったことは、もう一つある。それは、
「小林さん、これもお願い~、今日は早く帰らないといけなくて。」
「あっ、私も~。叔母の看病しないといけなくて。それに、小林さんなら、すぐ終わるでしょ?明日の朝までにお願いね~。」
仕事を押し付けられることだ。
毎回毎回、理不尽な要求を突き立てられるけど、波風たてず受け入れた方がましだ。その方が誰にも迷惑かけないし。
「わかりました、しておきます。」
「さっすが、小林さん!頼りになるぅ~!」
るんるん気分で去っていた同僚を見て、はあっとため息をついて、パソコンに向かった。
それを神宮寺君が見ていたとは露知らず。