隣席 ー君と一瞬と蟠りー
暫くした時。
「ゆずなあああぁぁぁあ゛あ゛あ゛っっっ!遊びに来たよおおおぉぉぉお゛お゛お゛!」
鋭すぎる声色が鼓膜を揺らす。この発音機は恐らく。
「こ、小雪____!」
4組の小雪こと、赤羽小雪がこの教室に遊びに来てくれるとは。小雪は、私の幼稚園からの大の幼馴染である。中学に入学したら仲良かった分勿論クラスが分かれてしまった。そんな彼女が1組から程遠い4組から来てくれるのは感謝でしかなかった。私たちは周りの目など気にせず抱き合った。スキンシップと呼ばれるものであろう。勉強尽くしの私にいい差し入れ…といっては失礼だ、軽い喜びを味わった。