隣席 ー君と一瞬と蟠りー
小雪と別れ、席に戻る。瞬間。
「おい、ケチャップ」
は、私をケチャップなんて呼ぶ奴なんて知り合いでいたか?、と眉間にしわを寄せながら振り向くと、森がいた。
「ケチャップって何なんだよ」私は迷わずそう言った。
「いや、なんとなく。これ、俺のメアド、前に欲しいとか言ってたからさ」
森はそのメールアドレスが書かれたノートの切れ端らしき小さな紙を渡してきた。頼んだつもりもないのになあ、誰かの間違いじゃないのか?と思った。然し要らないとは言いにくいし森のメアドはなんだかんだ言って万が一の時に、と考えると欲しかったので受け取ることにした。