隣席 ー君と一瞬と蟠りー

机の上には、未だに終わっていない提出物の山、そしてその隣に昨日の勉強時間の差し入れとして親から貰った水筒が置いてあり、おまけに消しゴムの塵は散乱しているという、ひどい様だった。異臭がプンプン漂い、最早女子の部屋とは言えないくらいのゴミ屋敷が広がっていた。
「うわぁ…やだなー…」
自分が散らかしたことを知りつつも、そう呟いて整理整頓をした。
片付けが終わって、漸く勉強できるなあと思いながら英語のワークを開いた。おんなじような問題の繰り返しばかりで解く気力など更々ない。模範解答写したほうが効率がいいのでは? そう閃いた私は、棚から答えの冊子を引っ張り出し、写すことを決意した。
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