隣席 ー君と一瞬と蟠りー



校庭から熱気が漂う季節、夏、7月に入った。
7月といえば、私たち一年は夏休み中に臨海学校と呼ばれるものがあったんだっけなぁ、面倒臭いな、と感じる。
ずいぶんと前の話だが、席替えがあり、小田桐とはかなり離れてしまったのだが、辛くなった時はその時の記憶を蘇らせて幸福な時間を過ごすようになった。
それよりも、私を嬉しさで溢れ返した出来事があったのだ。この前の期末考査の結果が帰った時にそれは起きたのだ。

“英語 94点”

この文字を見た時だ。
勉強していて良かったなぁ、というやりがいとスッキリした開放感が体に自然と現れた。
おまけに、前々までずっと馬鹿だの阿呆だのと私を弄ってきた湯下も、天才かよ、と逆に褒めてきたわけで。
よし、勝ったぞー。
と思ったのだ。
また、それとは全く違う話になるが、女子の殆んどは呼び捨てで呼ぶことにした。
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