隣席 ー君と一瞬と蟠りー

ん?深く考え過ぎたのか?それとも、今までの私への嫌がらせをとある誰かがやめようなんか言ってくれたのか?いや元々こんな雰囲気だったんだっけ?
焦り過ぎているのか、今の状況を私は上手く捉えることはできなかった。
「ね〜柚奈見てみて!これ。TSUTAYAで借りてきたの〜」
心波は偽の顔であろう表情と台詞で、ボーカロイドのCDを私に見せてきた。ボカロなら知ってるし、少なくとも私と優子と美玲はそれを好きである。
「これ、クラスのバスレクのBGM用?」
偽りの顔に少々焦りながらも訊いてみた。裏で思っていることが混乱していることがバレなければいい、と思った。
「そだよー、いいでしょ」
「羨ましい〜」
と、会話をしていると整列の合図がかかり、じゃあね、と言い一旦彼女の場を離れた。
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