隣席 ー君と一瞬と蟠りー

自席に向かう。
私の席の近くに心波と優子がいた。
あー、心波がいる。どう顔を合わせればいいのか、内心不安になった気がした。
「心波、優子、久しぶり〜」
冷汗が流れる。間違いなくバレているのだろう。私は馬鹿なのか?馬鹿だね。
どうしようどうしようどうしよう。
「ゆーずなー!会いたかった〜」
聞き間違えかと思った。でも確かに心波の声だった。しっかり聞こえたから現実での出来事なのか。
「二学期、面倒だね」
色々疲れたので、話題を180度変えた。優子は心波の予測不能な行動に唖然として無言のままだった。
「テスト二回か〜、柚奈なら楽勝でしょ」
「無理だよ、絶対鬱になる」
「えー」
私は嘘はついていない。只々心波を試す為だけに、会話を起こした。
彼女は楽勝とは思っていないんじゃないか、って思ったけれど。
心波とこれからは、入学したときの仲で接すれば何も問題は起きないだろう。そう、クラスが離れあまり会話しなくなる時まで。
それはさておき。
取り敢えず、テストでいい点取んなきゃ高校進学時に後悔するだろう。
というか、高校、進路、私の未来はどうなるんだ?
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