隣席 ー君と一瞬と蟠りー



「一時間目から理科か、しかも第2理科室って遠いし怠〜…」
朝っぱらから蒸した廊下をのろのろと私と一緒に歩きながら心波が言った。続けて、
「柚奈森と同じ班、いいなーぁ」と言ってきた。余計なお世話だ、と感じた。
そう、彼女の言った通り、私は森と同じ班なのだ。花愛も、湯下もそう。出席番号順でできた、四人班である。
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