隣席 ー君と一瞬と蟠りー



明くる日。
いつも通り、私は出席確認五分前に席に着く。
「期末、今日で二週間前だよねー」
優子は私の机の前にしゃがんで、顔だけ机にのせて言った。
「だよね…。前回理科やばかったから今回こそワークめっちゃ繰り返して解きたいなー」
「前回理科何点なの?」
「49」
「やばすぎじゃん」
「これでも平均より1点上なんですぅー」
「それ絶対通信簿2か3になるやつじゃん」
そう言って爆笑していた。
そんな暇さえないとわかってたけど。
でも、この朝の暇なひとときを優子と何気ない会話を続けることは私にとって心の落ち着ける場でもあって、とても好きだ。
だから、こうして続けるのだ。
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